第8 回 プミポン前国王への弔問
กราบสักการะพระบรมศพ
พระบาทสมเด็จพระปรมินทรมหาภูมิพลอดุลยเดช


9月15日 王宮内のドゥシット・マハープラサート宮殿の弔問一般公開が9月末日までと発表された。昨年の10月28日から9月15日までに訪れた人の数は、1065万4552人にもなるそうで、私も9月15日に王宮へ訪れ、1065万4552人分の1となった。

そんなことから、今回は王宮への弔問についてご報告したい。

まず、どのような決まりがあるのか。インターネットで検索したところ、タイ国政府貿易センター大阪のFacebookにわかりやすくまとめてあったので、引用させていただく。以下を頭に入れておくと間違いはないだろう。


服装:(男性)襟付きの黒いシャツと黒い長ズボン、黒い靴
(女性)体に密着しない、上品で袖のある黒いトップスと膝下スカート、黒い靴
※男女ともに、デニム地の服装、サンダル禁止
入場口:王宮前広場の北側(ロイヤル・ラッタナコシンホテルの近く)
①入場口にてパスポートを提示し、セキュリティチェックを通る。
②順路を進み、テント内で座って順番を待つ。
③宮殿に入る前に、靴を脱いで用意されている袋に入れ、かばんと一緒に手に持つ。
④ご遺体の前にひざまずき、係員の合図で一斉に平伏した後、退場する。
⑤王宮の外に出るまでは、静粛にし、必ず係員の指示に従うこと


【引用元】タイ国政府貿易センター大阪 Facebook
(https://www.facebook.com/thaitrade.osaka)

  1. 7時
    当日はいつも通りの朝6時に自宅を出発。車では駐車する場所がない為タクシーを呼んで出発した。朝の渋滞に若干巻き込まれつつ7時30分にワットプラケオ周辺に到着。この時点で、ワットプラケオ隣のサナームルアン(王宮前広場)とその隣の道路に大量のテントと大勢の弔問者を確認。私もテントに入り列に並ぶ。

     
  2. 9時
    テントの中に大勢でいるために空気の通りが悪くむしむしとしているが、思ったよりはサクサクと列が動いていた為、「お?これは午前中いっぱいでおわるかな?」などと考えていた。後ろにいるおばさんがどんどん押してくるのも広い心で受け流す余裕があった。

     
  3. 11時
    サナームルアンの入り口まで進む。ここから公園に入って、3/4周すると王宮に入ることができる。と、ここで、11時40分すぎまで待機とのアナウンス。ご飯を食べに行ってこいとのことで、食料や水の無料配布所に並び食事をゲット。春雨のパッタイを美味しくいただく。無料配布所には、様々な食事や果物も飲み物もたくさん用意されていた。食事がすんで、12時過ぎにやっと公園に入園。

     
  4. 14時
    詳しくは覚えていないが、1時間ごとに仏教の儀式があるということで一般人の入場が止められる。そのため一向に列が進まない。100メートル進んでは、長時間の待機を繰り返す。列に並んでいると、バナナが配られたり、水が配布されたり。すべてがボランティアだというのがすごいと驚かされる。公園から出て、公園わきの道路に整列。

     
  5. 17時30分
    王宮の入り口に並ぶ。王宮の警備兵の入れ替えを写真に撮ろうとしてたしなめられる。少しずつではあるが、列は進んで、肩掛けカバンなどを手に持つように指示される。

     
  6. 18時
    靴を脱いで宮殿に入る。ご遺体の前で合掌し平伏。すぐに声がかかって退出する。
    宮殿から出ると、列になることもなくおのおの外へ出る。王宮の出口で、軽食と飲み物が配られてた。

到着してから、10時間半やっとの思いで、ご遺体に合掌することができた。

10時間半まって10秒。時間だけをみるとあり得ないほど割に合わないという感覚になる。タイの国立大学の卒業式もそうだが、一瞬のために長時間まったり、時間をかけて練習したり。割に合わないと考えることは簡単だが、それでも今回のように10秒だけでもプミポン国王のご遺体に最後のご挨拶をすることが、タイ人にとって、とても大きな意味を持っているのだろう。11か月間で1000万を超える人々が弔問に訪れる、暑い中長時間待つことが分かっていても、大勢の人が訪れる、プミポン国王の偉大さを改めて感じられた1日であった。