タイおよび近隣国の経済、技術の発展に資する経済協力事業を行う一般社団法人日・タイ経済協力協会(JTECS、所在地:東京都文京区 会長:内山田竹志トヨタ自動車会長)は2023年1月26日、タイ工業省と日本の経済産業省のG-Gベースの枠組みのもとで実施している「タイ版スマートものづくり応援隊創設支援事業」(以降、スマートものづくり応援隊事業) の活動進捗と成果、および在タイ製造企業を対象に行った「『スマート工場』実現に向けた課題調査」結果について、タイ工業省ナタポン・ランシットポン事務次官および同産業振興局(DIPROM)幹部を訪ね、報告しました。
もともとスマートものづくり応援隊事業は2019年9月、JTECSとDIPROMとが人材育成の協力に関するMOUを締結したことに始まります。2022年11月には、スリヤ・ジュンルンルアンキット工業大臣と西村康稔経済産業大臣とが、スマートモノづくり応援隊事業を含む「インダストリー4.0の実現のための人材育成に関する協力枠組」の文書を交換、更に23年1月13日にも両大臣が再び会談、幅広い分野での両国の協力関係深化を確認するなど、両大臣の信頼関係を基礎に、二国間の協力関係は拡大・深化しています。
DXを支える高度人材育成協力につきまして、タイ工業省と日本の経済産業省のG-Gベースの枠組みのもとで、日本側はJTECS、海外産業人材育成協会(AOTS)、日本貿易振興機構(JETRO)、タイ側は泰日経済技術振興協会(TPA)、泰日工業大学(TNI)等が協力して行ってきました。
3年間に亘り実施してきましたスマートモノづくり応援隊事業では、約50人のIoT指導員を育成し、実証事業の一環で中小企業10社を指導、その結果、納期短縮、在庫縮小、生産性向上などの面で顕著な成果が上がり、同事業の有効性について、ナタポン次官に報告しました。また「『スマート工場』実現に向けた課題調査」結果では、56%の企業がスマート工場への移行で躊躇していること、その中で9割超の企業が「スマート工場化」指導に関心があることなど、スマートものづくり応援隊事業のニーズの高さを強く認識させる調査結果でした。
今後、工業省、経済産業省のG-Gベースの協力枠組みのもとで、このスマートものづくり応援隊事業がタイでサステイナブルな制度となるよう協力していくことに合意しました。なお同事業を通じたスマート工場化には、工業省の積極的な協力が不可欠です。今後もMOUに基づき、候補者選定や企業の紹介など事業の協力を期待しています。