最近のタイで一番の話題のニュースといえばチェンライのタムルアン洞窟での一件である。
※いきなり話題がそれるがタムルアンのタムには洞窟という意味があるのでルアン洞窟というのが正しい気がするが、日本のメディアはそういうところを気にしない悪い癖がある。これは昔チャオプラヤ川をメナム川と言っていたことにも違和感を感じていた。メナム自体が川という意味なので川川重複してしまうことになる。
行方不明の報道の後、無事に13人が発見され、7月10日にはすべての子供たちとコーチが救出された。
タイ全土が安堵のため息をついたといっても過言ではないだろう。
実は、今回のニュースが出始めた当初から気になっていることがある。
それは、子供たちを引率していたコーチのAEKさん(エーッ(ク)というニックネーム)の責任問題である。
今回のニュースを初めて聞いた際には正直“なんで洞窟にはいったのか。予想ができなかったのか。コーチは何をやっているのか。。。”という感想を持った。そして、事態の顛末の如何にかかわらず引率したコーチへのバッシングが起きるのではないかと。
日本であれば、おそらく責任問題などでコーチを責める声が上がるだろう。13人の中で唯一の成人男性であり、おそらく子供たちよりも状況判断ができたはずだからである。もし想定外の事故であっても日本では責任問題というのはついて回る。
しかしながら7月11日の時点でバッシングは起こっていない。少なくとも私はニュースやSNSなどでそういった趣旨の報道を見ていないし、むしろ彼が洞窟内でとった行動をたたえるような流れになっている。
報道によるとAEKさんは子供たちに洞窟の上から伝わってくるきれいな水を飲むように指導したり、横たわり体のエネルギーを温存するようにした。また、友達の誕生日を祝うために運良く持ってきていた食料品を分けて少しずつ食べることで飢えをしのぎ、その際には自分の食料を優先的に子供たちに分けたとの話も聞く。この冷静な対応が称賛を浴びている。
この指示は素晴らしいと思うが、私はもっと重要な要因があったと確信している。
それについて話す前に、すこし説明が必要と思う。
AEKコーチは成人する前に7年間小僧として出家をしていた。私も出家体験をしたことがあるのだが、タイの僧侶の出家の目的は、心の平安を得ることにある。具体的に言えば酒や女性との関係で心を乱されること、スポーツや音楽を聴いて感情が高ぶることを含む喜怒哀楽のいずれにも感情が乱れることを避けることが目的である。その際にその方法の一つとして瞑想で心を静め事柄を静観する方法を学ぶのである。AEKさんもこの瞑想を出家生活で学んだ。そしてその瞑想こそが今回その瞑想が奇跡の救出劇に大きな役割を話したといえるだろう。
少し考えてみていただきたい。真っ暗な中閉ざされた空間の中で、仲間こそ13人と多いが、いつ救助が来るのか、もしくは来ないのか、水位が上がって自分たちのいる場所がなくなったらどうなるのか全く分からない中で10日間である。そしてその子供たちを引率しなければならないというコーチの責任。並の人間では、パニックになってしまうかもしれない。そしてパニックになったら最後、おそらく救助されていた可能性はほぼなかったのではないだろうか。
コーチを筆頭にパニックにならなかった子供たちの精神力の強さ。そしてそれを成し遂げる方法であったであろう瞑想こそが今回の救出劇の最大の要因であった考えるのである。洞窟での10日間と救出の際に未体験のダイビング、しかも狭い洞窟の中を通ってくる際の精神力の強さには海外のメディアも注目をしている。
最後に私が体験出家中に教えられた瞑想の方法を記述してこうと思う。
瞑想については様々な方法が紹介されているが、私が教わったものは以下の方法である。
おそらくそこまで続けると、自分の心が非常に静まっていることに気が付くはずである。これを続けると、瞑想中に周りの様々な気配を感じられるようになり、物事を一つ上の広い視点から見ることができるようになるそうである。
私にはそこまでの経験はないが、瞑想をしていると心が静かになり普段聞こえていない様々な音、人の気配が普段より感じられる気がする。
皆さんもご興味があればぜひ試してみたら如何だろうか。
cr: KKU Libary
“Coach Aek” cr: mai_jacknight
