第10回 ナムチムポンラマイ(果物のディップ)
ตอนที่ 10 น้ำจิ้มผลไม้


タイは果物がおいしいとよく言われる。日本にも苺、さくらんぼ、桃、西瓜、葡萄、梨、ミカンと季節ごとにおいしい果物が出回るが、タイの果物の魅力は、一口に言うとその野性味ではないだろうか。日本の知恵を使って工夫して作り出したある意味生産者の“作品”とも呼べるような果物ではなく、“お日様の光を目一杯浴びて、温かいところで元気に育ちました!”と言わんばかりの甘味や香りをはじめとする自然の味が魅力なのだろう。

そんな甘味の強いタイの果物だが、タイではそこに一味加えることが多い。
それがディップである。みなさんも屋台で、料理屋さんでカットフルーツやフルーツ盛り合わせを食べるときに見かけたことがあるであろう、ピンク色のあれである。ひとえにディップといっても実はいくつか種類がある。最近ではドラマに登場をしてにわかに見かけることが多くなったナンプラーワーン以外にもいくつか存在している。今回は代表的なものを5つほど紹介したい。

 

1. プリックグルア/พริกเกลือ

これは一般的によく見かける所謂 唐辛子塩である。
作り方は簡単、塩と砂糖と粉唐辛子を好みに合わせて混ぜ合わせる。唐辛子塩等名前ではあるが、実際は砂糖がかなりの割合を占めている。

ナムチムポンラマイ(果物のディップ)

 

2. ガピワーンヘーング/กะปิหวานแห้ง

こちらはガピ(干しエビのペースト)を使っている。プリックグルアの塩の代わりにガピを使用しているという感じ。ガピの独特の香りを出すためには少しあぶってから混ぜ合わせるとよい。

ナムチムポンラマイ(果物のディップ)

 

3. ナムプラーワーン/น้ำปลาหวาน

全クールで非常に話題になり先日まで再放送していたドラマ「Buppesanivas/บุพเพสันนิวาส」に登場して話題になった。
水で溶かしたてトロトロにした砂糖の中にエビ粉末や生唐辛子、玉ねぎスライスなどが入っている。主に青マンゴーなどと食べることが多い。
個人的には、玉ねぎスライスがアクセントとなっていておいしいと思っている。

ナムチムポンラマイ(果物のディップ)

 

4. ガピワーン/กะปิหวาน

ナンプラーワーンと似ているが、こちらはガピ(干しエビのペースト)を使っているので独特の風味がある。ナンプラーワーンが唐辛子を食べなければそこまで危険ではないけれど、ワーン(甘い)と言いながら、こちらは結構辛い味付けのものが多いように思う。

ナムチムポンラマイ(果物のディップ)

 

5. プリックグルアボアイ/พริกเกลือบ๊วย

これは個人的には一番好きなディップである。
乾いた梅干しを粉末状にしたものと塩、砂糖を混ぜ合わせて作る。
主にファラング(グアバ)を買うとついてくる。
ファラングが多少はずれで、甘味がないものであってもこのプリックフルアボアイがあると十分おいしくいただける。

ナムチムポンラマイ(果物のディップ)

 

果物に味をつけて食べるということが日本人にはなじみのないものであり、またガピのような癖の強いものが日本人の味覚にはなかなかなじまないかもしれないが、ぜひ一度といわず数度試していただきたいものだ。一度癖になるとやめられないタイ料理の魅力がここにも見つけられるはずだ。

Photo Credit : https://th.openrice.com/th/bangkok/article/ผลไม้จิ้มอะไรถึงแซ่บ-พร้อมสูตร-6-อย่าง-a5626